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執筆者の写真Toapapa

#08 フライトシミュレーターのすすめ【フライトプラン編・2】

更新日:2022年6月16日



フライトプラン編・2回目です。前記事はこちら。著者、本業繁忙期に入りましたが、まだ体力は残っているようですw 接近してくる台風8号。進路予想図を見ると「こりゃぁ~我が家の上を通過するな…」と思いつつ、記事の最終確認をしているところです。



ちょっと難しくなってきたというご意見を頂きました。出来るだけ分かりやすく書けるようにしますw 今回もちょっと、ごちゃごちゃしてるかなぁw

 

さて、フライトさせる航路を決め、フライトプランの作成のための下地はなんとなくわかりましたか?おさらいすると「 出発空港~離陸RWY~SID~航空路~STAR~アプローチ~着陸RWY~到着空港」でしたね。


フライトプランを作り上げるときは、普通、航空路を作って、それに伴うSIDやSTARを決めるのですが、話の流れからフライトプランの順番通りにいきたいと思います。


前回の解説の中でSID、STAR、アプローチの3つについて少しふれました。


私が当初フラシムで航路を飛び始めた時、分からなかった点がこの部分だったのです。最初はなんのことなのか、さっぱり分からなかったというのを覚えています。


フライトシミュレーターにあるフライトプランを作成する機能を使って、空港から空港までの航路を決めても、普通はその空港にダイレクトに繋がるだけなんですよね。

完全にビジュアル(目視)で飛行するのであれば、とりあえず空港の近くまでいって、空港の滑走路の方位を確認し、ある程度空港の周りを旋回して滑走路に着陸するという方法が取れるのですが、通常の旅客機は普通そのような感じではありません。

前回書いたように、決められた航空路やSID、STAR、アプローチの方法で運行しているんですね。(実際では航空無線によって航空管制官の指示により、必ずしもこの通りの航路を飛行するわけではありません。航空管制官からの無線での誘導を一般的に「ベクター」と言います。フライトの会話の中で「ベクターしてもらって〜」なんてフレーズが出てきますが、これは「無線で誘導してもらって〜」という意味になるんですね。)


できるだけ本物に近い飛行をしてみたいという欲求があるので、決められた方法により離陸も巡航も着陸もしたいと思うのが人の常。私はそう思いましたw

でもそれが最初はまったく分からなくてチンプンカンプンなのです。


まずは、そのSIDやSTAR、アプローチ方法がそれぞれの空港にどのように指定をされているのかを知らなければなりません。


じゃぁ、どうやって…?


実は誰でも、この情報(国内)をインターネットで取得することができるのです。

AIS JAPAN」というサイトがそれになります。このサイトは各空港に定められている決まり事や情報を無料で取得できます。このような情報が書かれている資料のことを「チャート(Chart)」と総称しています。ただし、無料といってもユーザーの登録が必要となりますので、登録してから御覧ください。


登録をしてログインをすると…


上のような画面になるので、「AIP」のタブをクリック。



「Current」にチェックがあるものが現在発効中?のチャートになるので、横の日付をクリック。



上のようなページになったら、画面左の【Part3】→【AERODROMES】で、国内の飛行場の4レターと空港名が出てきますので、調べたい空港名(例:RJFU Nagasaki)をクリック。


ちょっと脱線…。


空港には4レターというコードが定められています。長崎空港ならRJFU、中部セントレア空港ならRJGG、羽田はRJTT、伊丹はRJOO、関空はRJBB、成田はRJAA、新千歳はRJCCなどなど。国際民間航空機関(ICAO)というところが定めた英数4文字のコードなのですね。


3レターコードっていうのもあって、国際航空運送協会(IATA)というところが定めているアルファベット3文字のコードとなります。長崎空港ならNGS、中部セントレア空港ならNGO、羽田はHND、伊丹はITM、関空はKIX、成田はNRT、新千歳はCTSなど。航空会社の時刻表や空港のサイネージなどでよく見るのはこちらでしょうか。



話は戻しまして、ずら~と長崎空港の情報分類が出てきますので「CHARTS RELATED TO AN AERODROME」の項目をクリックすると、チャートの一覧が右画面に出てきます。



調べたいチャートをクリックすると表示されます。(下例:Standard Departure Chart - Instrument (CHIKUGO-RNAV)。CHIKUGO RNAVというSIDを表示)

まぁ、いろいろと他のものも見てみてくださいね。



このような感じで、それぞれの空港情報は閲覧することができますし、必要ならば印刷してもいいでしょう。このチャートの読み方は、次回、もしくは次々回、次々々回ぐらいにw


これで、国内の空港のチャートを探す方法はわかりましたかね?


このサイトは日本国内の空港は網羅していますが、海外の空港となると情報が無いわけです。そこで、このようなチャート情報を全世界分提供しているサービスがあるのです。もちろんそれは有料となりますが、海外の空港も飛んでみたいと考えている方は、必要になるかもしれませんね。このサービスについては、このシリーズでまたお知らせします。


私が使っているのはこちら「Navegraph


チャートを見る方法は分かったけど、さて…、どのチャートを使えばよいのかがわかりませんね。とりあえず滑走路は風向きで決められますし、問題は最初SIDをどうするかですよね。


各空港にはSIDとかSTARなど、行き先によって基本的なルートやルールがあるようです。どのように運用されているかは、私にもわかりませんw(パイロットではないので〜w)

…ですので、予想をしなければならないということですね。


じゃぁ、どのように予想すればいいのでしょうか?


そこで活躍するのが、前回の記事でも少しだけ登場した「FlightRadar24」というサイトです。このサイトは実際に現在運行されている航空機の情報を見ることができる画期的なサイトです。最初見たときには、全世界にこんなにたくさんの航空機が飛んでいるんだ~!と驚いたものです。見ているだけでも楽しいサイトなのですけど、さまざまな情報も盛りだくさんとなっています。


PCからブラウザを使って見ることができますし、スマートフォンのアプリでもありますよ。まだ使ったことのない方は、ぜひ使ってみてください。類似のアプリもありますので、よく選んで使用してください。


蟻ん子みたいにたくさん!ヨーロッパや北米はもっとすごいよ


では、今回フライトしようとしているルート(中部セントレア空港〜長崎空港)を飛んでいる航空機を調べてみましょう。前回調べて分かった「NH371便」を画面の右上にある「Search」に「NH371」と入力すると、リストアップされるので、実際に飛行した便のいくつかを見てみましょう。(リスト右の「Play」をクリック)



そうすると以下のように、その便が通った航路が線で描かれます。



これを見る限り、中部セントレアの空港を北に向かって離陸しているのがわかります。ということは、中部セントレアの滑走路は1本ですので、前回ご紹介した「SkyVector」から空港の情報を見てみると、RWY36から離陸したことがわかりますね。このときの気象条件は北からの風が吹いていたのでしょうね。


今回のフライトも北風が吹いているという設定で、RWY36を使って離陸をすることと仮定して話をすすめていきます。




さて、さきほどの「AIS JAPAN」から、この航路に該当するSIDを見つけてみましょう。



なんか、これが似てますよね。「OUMI ONE DEPARTURE」


RWY36を離陸したあと、滑走路方位の356°で上昇、名古屋市手前の海上で左旋回、その後、四日市あたりで右旋回してますね。その後「HIKNE」というウェイポイントまで指定されているのが分かります。

「HIKNE ONE DEPARTURE」という、もうひとつ似ているものもありますが、今回はこちらに決めましょう。


実際では、事前に提出したフライトプランをもとに、クリアランスという管制承認と許可をもらうことで決定するようです。フライトシミュレーターなので自分で決めちゃいましょう。ちなみに、このフライトプランの提出ですが、離陸滑走路はその時の風などの影響で変化する可能性がありますよね。プラン提出の際には滑走路方位は含まれるのでしょうかね?それに伴うSIDもフライトプランに記述してから提出するのでしょうか?それとも、SIDなどの変動する可能性のあるものはプラン上には記述しないで、管制官の指示がその後出るのでしょうかね?このあたりは私にはわからないところです。


さぁ、これでフライトプランの「出発空港~離陸RWY~SID~航空路~STAR~アプローチ~着陸RWY~到着空港」の流れの中で、SIDまでは決めることができました。


これだけでも、また、かなり長い話になりましたねw


地道にいきましょう(笑)…では、次回。


 

このフライトはフィクションです

実在の人物や団体などとは関係ありません

また、表示されている情報、手法、方法等が必ずしも正しくはありません

 

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